一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

2011-01-01から1年間の記事一覧

2011年・極私的回顧 ……こうして私は「七十日の王」となった……

私の今年の山行日数は70日。 昨年は81日だったので、11日減った。 減った要因としては、 東日本大震災、父の死、母の認知症の症状悪化などが挙げられる。 今年は公私ともにいろいろなことがあり、 精神的に辛い時期もあった。 そんな時は、 寸暇を惜しんで、…

天山 ……単独行としての「登り納め」はいつもの山で……

年末年始は(もちろん元旦も)仕事なので、 今日が、私にとっての年内最後の休日。 母に会いに佐世保に行くことになっているが、 その前に、山にも登りたい。(笑) 25日(日)に平六さんと忘年登山で雲仙に行ったが、 今回は「ひとりで行く山」としての「登…

雲仙普賢岳・国見岳・妙見岳 ……一年を締めくくるに相応しい山行……

平六さんとの忘年登山。 どこにしようかと迷った。 くじゅうか、雲仙。 正月にも「登り初め」を予定していて、 こちらは、やはり、くじゅうだろう。 だとすると、忘年登山は、雲仙。 週末は寒波がくるようだと喜んでいたら、 今日は、見事なタク日和。(笑)…

大野岳・遠藤周作文学館・出津教会・大野教会 …美しき心の風景を求めて…

あれは、今年の9月25日のことであった…… 肉まんさんのお誘いで、大分県臼杵市へ行った。 肉まんさんは、以前より、 「文学館や偉人館への訪問」と「登山」を組み合わせた旅を企画し、 それを積極的に実行されている。 あの日の臼杵への旅も、 鎮南山に登って…

作礼山系・897ピーク ……ブナの森で至福の時間を過ごす……

今日の午後、 東京にいる二女が、佐賀に帰ってくる。 本来なら夫の正月休みを利用して夫と一緒に帰佐するはずであったが、 それでは佐賀に滞在する日数があまりに短いと、 夫がひと足先に送り出してくれたのだ。 二女と孫に会えると思うと、 嬉しくて嬉しく…

映画『リアル・スティール』 ……ラスト30分、興奮し、涙し、感動に包まれる……

〈何を見ても何かを思いだす〉 というヘミングウェイの言葉を借りれば、 この映画『リアル・スティール』ほど、 過去のいろんな映画を思い出させる作品はないであろう。 ある人は、『ロッキー』(1976年)であろうし、 ある人は、『ファイト・クラブ』(1999…

鬼ノ鼻山・聖岳周回ルート …遠くの山より近くの山、賑やかな山より静かな山…

12月に入り、 九州各地の標高の高い山で、 霧氷や積雪の話題が届くようになった。 昨年までの私だったら、 子供のように駆け出して行ったような気がする。(笑) だが、今の私は、ナゼだかさほど心が動かない。 最近は近くの山を単独行することが多くなった…

映画『アントキノイノチ』 ……遺品整理業という仕事を通して命と向き合う……

2010年の日本人の平均寿命は、 女性が86.39歳(世界1位)、 男性が79.64歳(世界4位)。 しかし、人間、 〈50歳を過ぎたら、いつ死んでもおかしくない……〉 と思っている。 50代で亡くなった著名人を思いつくままに挙げてみると、 いわさきちひろ(絵本作家・…

金立山 ……これほどの紅葉を、私だけで独り占めしていいのだろうか……

2年前(2009年)の11月26日、 リーフさん、ミーちゃんの案内で、 金立山に登った。 東南尾根ルートで登り、緑のシャワーロードを下った。 紅葉真っ盛りの時期で、 東南尾根ルートの鮮やかな紅葉に驚嘆し、 「赤のシャワーロード」と化した緑のシャワーロード…

映画『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』……終着駅の先にも……

昨年(2010年)の5月29日に公開された映画 『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』(←クリック)は、 タイトルが長すぎる(笑)こと以外は、なかなかの作品であった。 主人公の中井貴一の好演もさることながら、 電車の走る姿、そして風景が素晴ら…

第23回唐松(唐津・東松浦)平和美術展 ……平和を希求する人々の作品群……

昨年(2010年)の10月21日、 第22回平和美術展に行った模様は、 このブログで掲載した。 山友Yさんから招待状を頂き、 唐津市近代図書館で開かれていた美術展に行ったものであったが、 このブログの記事は、少なからず反響があり、 平和や芸術に対して多くの…

岩屋山 ……長崎の最強低山で、山の奥深さを知る……

そよかぜさんのお誘いで、長崎市にある岩屋山へ行ってきた。 参加したのは、 長崎組 そよかぜさん、山馬鹿さん、ミッセルさん、bambooさん、Yさん、Kさん 福岡組 S・TAROUさん、凧さん、いーさん、hirokoさん、hirokoパパさん 豊津の信ちゃん、豊津の俊ちゃ…

作礼山系・897ピーク ……煌びやかな紅葉の森と、厳かなブナの森……

11月13日(日)に作礼山に登った時、 ついでに、作礼山のとなりにある標高897mの無名峰(通称897ピーク)にも登った。 その時の私のブログを見たリーフさんから翌日メッセージが入った。 以前、リーフさんも897ピークに登ろうとしたことがあったとか。 樹木…

映画『マネーボール』 …マネーボール理論の成功譚にしていないところが秀逸…

ブログ「一日の王」を訪問し、 〈なんだ、日曜日の更新をしてないじゃないか!〉 とひとりごちたあなた、 そして憤慨したあなた、 スミマセン、 私、TVで野球を見とりました。(笑) そう、日本シリーズのソフトバンクvs中日。 一応、私も九州人なので、ソフ…

シリーズ「麓から登ろう!」⑪海抜0mから登る天山 ……有明海より山頂へ……

シリーズ「麓から登ろう!」ファン(いるのか?)の皆さん、 お待たせ致しました~(笑) シリーズ復活です。 今回も、海抜0メートルから登る天山。(爆) 前回は、7月17日に、唐津湾から歩いて、7時間44分で登頂した。 今回は、反対側の有明海から歩こうと…

作礼山・897ピーク ……里山の秋を存分に楽しんだ素晴らしき一日……

最近、私は思う。 私には、 天山と、 八幡岳と、 作礼山と、 鬼ノ鼻山さえあればいいのではないかと……(笑) 近頃、遠出をすることがめっきり減った。 以前は、 ミヤマキリシマだ、 紅葉だと、 県外の山々へ意欲的に出掛けていた。 今年になってから、そうい…

映画『ツレがうつになりまして。』 …原作に忠実に、そして誠実に作られた傑作…

この映画は少し前に見たのだが、 なかなかレビューが書けなかった。 単に書く時間がないという理由もあったのだけれど、 どう書いていいのか迷う部分もあって、 書きあぐねていたのだ。 タイトルを見れば分かる通り、この映画はうつ病を扱っている。 非常に…

沢木耕太郎『ポーカー・フェース』 ……山野井泰史・妙子夫妻のエピソード……

10月に刊行されたばかりの沢木耕太郎著『ポーカー・フェース』(新潮社)を読んだ。 『バーボン・ストリート』(1984年) 『チェーン・スモーキング』(1990年) に続く、大人のエッセイ第3弾だ。 この本では、高峰秀子、尾崎豊、サリンジャーなど、 様々な…

映画『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』 ……宇宙に意志があるとしたら……

1968年に公開された映画『猿の惑星』は衝撃作であった。 TVでも何度も放送されたので、知らない人はいないのではないだろうか? 地球から打ち上げられた宇宙船が、1年6ヵ月後に、ある惑星に着陸する。 宇宙船には隊長のテイラー(チャールトン・ヘストン)他2…

満島ひかり賛 ……映画『一命』を見る価値のあるものにしているのは……

またまた雨の日曜日。 金曜日の夜から長女と孫が遊びにきている。 雨の日もまた楽し……である。 佐賀新聞に、 「西村雄一郎のシネマトーク」 という、私の愛読しているコラムがある。 連載30年を超え、 新聞単独筆者連載の長期記録を更新中の名物コラムで、 …

平戸島逍遙 ……イトラッキョウやヒナヒゴタイに逢いたくて……

最近、週末はいつも雨なので、 山に行けないと嘆いている方も多いのではないだろうか? 今週末も傘マークの予報が出ているし、 オイオイという感じである。(笑) 本日(11月3日)の木曜日は、私はもともと休みなのだが、 祝日(文化の日)なので、平六さん…

映画『スマグラー おまえの未来を運べ』 ……今年後半NO.1の傑作かも……

今年の紅葉はイマイチのようだ。 って、見には行ってないけど……(笑) 紅葉登山した人のHPやブログを見ても、 くすんだ色、褪せた色、ぼやけた色が、ほとんど。 やはり、 夏が猛烈に暑くて、 秋に急激に寒くならないと、 色鮮やかな紅葉は見られないのかも………

黒髪山系逍遙 ……ここにしか咲かないあの花に逢いたくて……

今日は、佐世保に行く前に、黒髪山系を歩くことにした。 山頂にはこだわらず、気ままに山歩きを楽しもうと思う。 黒髪山系は、佐世保に行く途中にある。 ていうか、佐世保に限りなく近い場所にある。 佐世保在住の登山愛好家が、最も行きやすい山域と言える…

映画『一命』 ……原作者・滝口康彦のこと、映画『切腹』(1962年)のこと……

映画『一命』を楽しみにしていた。 原作は、滝口康彦の短篇小説「異聞浪人記」。 滝口康彦と聞いて、 すぐに、人となりや作品名を即答できる人は、そう多くないと思う。 無理もない。 時代小説家であるが、現在、その作品のほとんどが絶版となっているからだ…

鬼ノ鼻山 ……忙しい日は、ママコナの咲く裏山へ……

今日は忙しい一日だった。 朝から雲ひとつない晴天で、 山へ行きたい気持ちを抑えつつ用事をこなした。 帰宅したのは午後3時過ぎ。 この時間からだと、普通は山に登れない。 だが私は登るのだ。(笑) 遠くへは行けないけど、裏山だったら、大丈夫。 デイパ…

八幡岳の秋をたずねて2011 ……里山の秋の素晴らしさを知りたかったら……

待ちに待った八幡岳・秋の自然観察会の日がやってきた。 昨年の秋の観察会は、雨が降って中止になった。 用意した30人分ほどの豚汁の具材を、 平六さんは翌日からずっと一人食べ続けていたそうだ。(涙) そんな辛い日々を平六さんにもう送らせてはならない…

第2回 唐津焼の里映画祭 ……秋吉久美子に逢いたくて……

唐津市北波多出身の脚本家である井手俊郎の生誕百年を記念して、 昨年、「井手俊郎生誕百年記念 第1回 唐津焼の里映画祭」が開催された。 県高齢者大学唐津校のOBらが、 地域ににぎわいを取り戻そうと企画したもので、 ゲストに、 鎌田 敏夫(脚本家)、宍…

映画『東京公園』 ……誰しも心の中に自分だけの公園を持っている……

小西真奈美、榮倉奈々、井川遥という、 私の好きな女優が出演しているので、以前より見たいと思っていた。 2011年6月18日ロードショーの作品であるが、 これまで佐賀県での上映はなかった。 封切られた6月に、福岡まで見に行こうかと思ったが、スケジュール…

玖村まゆみ『完盗オンサイト』 ……最後まで読ませる力・最後まで歩ける力……

今年(2011年)の第57回江戸川乱歩賞は、15年ぶりに女性が受賞し、 しかも女性2人によるW受賞(史上初)ということで、かなり話題になった。 その受賞作のひとつ『完盗オンサイト』(玖村まゆみ/講談社)を手に取った。 帯にはこう記してある。 報酬は1億円…

南阿蘇逍遙 ……キツリフネやタカネハンショウヅルに逢いたくて……

やってきました南阿蘇。 県内にひきこもりがちな私(笑)を、県外に連れ出して下さったのは、平六さん。 自然観察指導員である平六さんは、 熊本県在住の自然観察指導員・のけぼしさんに連絡し、 プライベートな植物観察会を開いてくれるようお願いしたとの…