一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

深秋の天山 ……まだ残っていたムラサキセンブリと、知られざる紅葉を楽しむ……



11月12日(火)
天山の稜線では、
秋の花はもうほとんど終わっている。
秋の花が終わると、登山者は極端に減少する。
花が目的の登山者が来なくなるためだ。

だが、私が通う散歩道には、
稜線より標高が低い分、
まだ秋の花が残っているような気がした。
それを確認に行くついでに、
天山の紅葉も楽しみたいと思った。

ということで、午前9時頃に家を出て、天山に向かう。
予想通り、山頂には誰もいなかった。


今日は、「晴れたり曇ったり」を繰り返す変な天気。
南側は雲が多く、遠望も利かない。


北側は、南側よりは雲が少なく、脊振山系の山々も見えた。


いつものように稜線散歩。


ミヤコザサは、秋から冬に向かって、葉の縁が白く枯れてゆくが、
緑一色だったミヤコザサも白く縁どられて、
冬が近いことを教えてくれる。


花期を終えた秋の花々を確かめながら歩いて行く。
ウメバチソウ


アキノキリンソウ


タンナトリカブト


マツムシソウ


センブリ、


モウセンゴケ


そして、ホソバノヤマハハコ。


枯れてもなお美しい。


ツルリンドウは赤い実になっていた。


花はないかと探すと、


一輪だけ見つかった。


嬉しい。


リンドウもほとんどが終わっていたが、


所々でまだ花を見ることができた。


ありがとう。


彦岳が見える場所まで行って、引き返す。


いつもの場所で、こんな風景を見ながら珈琲タイム。


本日の「天山壁」。


これから散歩道へ向かう。


まずは、散歩道の紅葉を楽しむことにする。
天山は稜線に木々が少ないということもあって、
天山で紅葉狩りをする人はあまりいないような気がするが、
知られていないだけで、天山は案外“紅葉の山”でもあるのだ。

黄葉を見ながら歩き出す。


黄色一色。


こちらは、昨年見つけた紅葉の木。




うっとり眺める。


ムラサキシキブの実が鮮やか。


美しい。


黄葉と紅葉との共演。


こちらは、様々な色の葉の競演。


虹のように美しい。


山の斜面の紅葉。


天山には灌木(背の低い木)しかないようなイメージがあるが、
もちろん喬木(背の高い木)だってある。
そして、喬木の紅葉は一段と美しい。


いいね~


モミジだけでなく、


いろんな木が紅葉しているので、
葉の形も様々。


楽しい。




天山で、もっとも紅葉が鮮やかな場所へ。


大木の紅葉。


圧倒される。




見ている私も躰が赤く染まっていくようだった。




最後に、散歩道で出逢った花を少しだけ紹介しよう。
ヒメアザミは、まだたくさん残っていた。


散歩道のリンドウは、まだまだ元気。


美しい花を堪能することができた。


〈さすがにムラサキセンブリの花は終わっているかな……〉
と思ったが、
まだ残っていたので嬉しかった。




こちらにも咲いている。


今年最後の天山のムラサキセンブリ。


美しい。


4弁の花も……


散歩道には、レイジンソウもまだ残っていた。


こちらにも。


今日も一日の王になれました~