
水曜日、仕事が終わり、ある事情から、そのまま佐世保の実家に行った。
実家で一泊し、木曜日の昼に我が家に戻った。
すぐに登山の準備をし、車で天山に向かった。
以前より、天山の春を探しに行きたいと思っていたのだ。
今回は、春の花を探しながら、マイナールートを歩こうと思う。
まず、ショウジョウバカマの群落地に行ってみる。
咲いている。

かなり咲いている。

このように丸く形作っているものが見映えが良い。

ひとつひとつ色が微妙に違っている。
これはちょっと白っぽい。

こんな美しい花が、もうたくさん咲いている。

ユリワサビも咲いている。

こんなに……

コガネネコノメソウも咲いている。

タチネコノメソウもこんなにたくさん……

フキノトウだって、こんなに……

ケクロモジをはじめ、

いろいろな木の芽も萌えだしている。

春の到来を告げるように、
どの花も群落を形成し、
木々は芽吹き、
山全体が生命力を漲らせている。
春を謳歌しているようだ。
だが、さすがに、山頂部にはまだ花がなかった。
探していたホソバナコバイモも見つからなかった。
天山の中腹に春の花が咲き始めているのを喜びつつ、ホソバナコバイモの花が見つからなかったことに少々落胆していた。

帰路、思いがけないところで、ホソバナコバイモの花を見つけた。
ただ一輪のみ。

それまで、いろいろな花の群落を見てきただけに、この一輪だけの花に深く感動した。
そして、ブログを更新している今も、あの一輪の花の面影が脳裏をかすめる。
あの花は、今もあの場所で俯いて咲いているに違いない。
それを知っているのは私だけだ。
あの場所に、あの一輪の花があることを想像するだけで、私は幸せな気持ちになる。
心が満たされる。
ある人が、「山は文学に限りなく近い」と言っていた。
私は、今、それを実感している。