一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

井原山 ……雨の日の山を目一杯遊び尽くせ……


からつ労山の月例山行に2ヶ月続けて参加できなかったテツさん、+3Kさん、アキさんから、3月22日(日)にどこかに登りたいとの要望があった。
いつもは毎月第一日曜日登山で一緒に歩いている仲間なのだが、第三日曜日に実施されている月例山行に参加できなかったので、翌月の第一日曜日登山まで待ちきれないようなのだ。
そこで、不肖私が、計画を練ることになった。
当初、遠出をしようと思っていた。
だが、22日の天気予報は「雨」。
普通、雨の日に山に登る人は少ない。
いや、ほとんどいないと言ってよいかもしれない。
でも、わが仲間からは「中止」の声は出ない。
雨が降ろうが槍が降ろうが、山に登りたいという気持ちにいささかの揺らぎもないようだ。
そこで、時間のかかる遠出はやめて、近くの山で目一杯楽しもうと考えた。
雨の日を存分に楽しめるような計画……
……そこで浮上してきた山は「井原山」。
ホソバナコバイモをはじめとして「spring ephemeral」(春の妖精)が咲き始めている井原山で、先ずは花を愛でながら歩こうと考えた。
雨に濡れている山野草は格別だろう。
ひょっとしたら、私の大好きなあの花も咲いているかもしれない……。
その後、温泉で疲れを癒し、「カフェのっち」でランチ。
帰路、宝珠寺で満開のしだれ桜を観賞したのち、「日本一たい焼」でたい焼を買って帰る……という「お楽しみてんこ盛り」ツアー。(って旅行会社か?)

某登山口から出発。
霧雨の中、楽しくお喋りしながら歩き出す。
雨はほとんど気にならない。
この後、所々寄り道しながら、春の花を楽しんだ。


まずはキケマン。
どこの山でも見ることができるという花ではないと思うのだが、井原山近辺では割とどこにでも咲いている。


コチャルメルソウもけっこうたくさん見ることができた。
不思議な形をした植物だ。


ヤマエンゴサクも各所で見られた。


私のブログではお馴染みのホソバナコバイモ。
天山では一輪しか見ることができなかったが、ここ井原山では、今を盛りと咲いている。雨に濡れたホソバナコバイモは妖艶だ。


渓流沿いのホソバナコバイモは一段と美しい。


所によっては、大群落も見られる。


「あれ? ホソバナコバイモの隣りで咲いている花は……ニリンソウではないですか!」


ニリンソウが、もう咲き始めています。
雨のせいか閉じている花が多い。


あっ、開いている花があった!


美しい~!


まさに清楚な花という感じ。


雨が降っているのに、しっかり開いて我等を迎えてくれたニリンソウの花。
「惚れてまうやろ~」


エイザンスミレも姿を見せてくれました。
「もう、惚れてまうやろ~」


それからなんとナガバノスミレサイシンも……
「また、惚れてまうやろ~」


こんなに色の濃いヤマルリソウも……
「メッチャ、惚れてまうやろ~」


あっちの花、こっちの花、飛び回るアキさん。
とても嬉しそうです。


オオキツネノカミソリの群生地も、この美しさ。
夏が楽しみです。


下山後、温泉でさっぱりしてから、一路「カフェのっち」
4匹の犬が出迎えてくれました(残り2匹は奥にいました)。


この「カフェのっち」の自家製ベーコンを乗せたピザが抜群の美味しさ。
早く来ないかな~と待ってます。


「来た~!」(笑)


メッチャ美味しいで~す!
イカン、私の手が「招き猫」のようになっている。あの人になんと言われるかわからない。気を付けなくては……)


「カフェのっち」で、心もお腹も満たされ、神埼市にある宝珠寺へ。
満開のしだれ桜にウットリする。
背後に見える山は「土器山」
「美し過ぎるぞ~!」


しだれ桜の真下から見上げる。
「日本に生まれて良かった~!」


この後、「日本一たい焼」に寄り、たい焼をたくさん買って帰りました。


今日、雨だからといって家に閉じこもっていたら、こんな素晴らしい一日にはなりえなかっただろう。
山を歩いている時も、「カフェのっち」にいる時も、移動中の車の中でも、笑い声が絶えなかった。
本当に楽しい一日だった。
素敵な山仲間に感謝!

次はどこに行こうか……