一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

2025-01-01から1年間の記事一覧

映画『平場の月』 ……塩見三省、中村ゆりがイイぞ!……

久しぶりに映画を見たいと思った。 見たいと思った作品は『平場の月』(2025年11月14日公開) 原作の朝倉かすみ『平場の月』(光文社、2018年12月刊)は、 すでに読んでいて、2019年7月10日に、このブログで、 ……大人の恋愛小説の白眉…… とのタイトルでレビ…

15歳で初めて読んで衝撃を受けた小説『蒲団』(田山花袋)

“一人読書会”の次なる課題本として、 トルストイの『戦争と平和』を読み始めているのだが、 これが(登場人物が559人という)なんとも厄介な代物で、(笑) なかなか読み進めないでいる。 箸休めのような感じで、図書館で借りた本などを合間に読んでいるのだ…

深秋の天山 ……紅葉と、秋のなごりの花を愛でる……

11月10日(月) 天山の秋の花たちも次々と姿を消し、 登山者も次第に少なくなってきて、 「私だけの天山」が戻って来つつある。 今日は、上宮登山口から登り、 紅葉と、残り少ない秋の花々を楽しむことにしよう。 出発。 上宮の色づいた木々をパチリ。 ゆっ…

映画『坂道のアポロン』での、ベーシスト・中村梅雀

私が愛読しているブログ『ぷよねこ減量日記 since 2016』で、先日、 「気になるベーシスト?」というタイトルで、 「ベーシスト・中村梅雀」について触れられていた。 puyoneko2016.hatenablog.jp 「ベーシスト・中村梅雀」で思い出すのは、 私の大好きな映…

人生の一日(33) ……イ・ランを知った日……

図書館の新着図書コーナーに、 イ・ラン著『声を出して、呼びかけて、話せばいいの』(斎藤真理子・浜辺ふう訳、 2025年9月25日刊、河出書房新社)という本があった。 著者については知らなかったが、 タイトルに魅かれ、借りて読んだ。 目次には、 体が記憶…

人生の一日(32) ……17歳と71歳の違い……

還暦は「暦が還る」という意味がある。 昔の日本では、 古代中国の陰陽五行思想に由来した「十干十二支」と呼ばれる暦を使用していて、 十干十二支には、 十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)と、 十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・…

作礼山 ……私だけの紅葉の森で遊ぶ……

11月6日(木) 私の家から近い山では、作礼山の紅葉が随一だ。 〈もうそろそろ色づいているのではないか……〉 と考え、行ってみることにした。 木漏れ日の美しい道を歩いて行く。 誰にも会わないのが好い。 池まで来ると、紅葉している木があった。 美しい。 …

人生の一日(31) ……佐賀の夜空のスーパームーン……

その年で最も大きく見える満月をスーパームーンと呼んでいて、 今年(2025年)は11月5日の満月がスーパームーンにあたり、 ちょうど満月になる時間は、22時19分。 月は地球の周りを公転しているが、 その軌道は楕円形をしているため、地球と月との距離は一定…

人生の一日(30) ……もうひとつの人生……

30年前(1995年)に徒歩日本縦断をしていた時、 地方の静かで好もしい町に出合うと、 〈もし、この町に生まれ、育ったならば、どんな人生を歩んでいただろう……〉 と思うことが度々あった。 こう思うようになったのは、 昔、夏樹静子さんのエッセイ集『アリバ…

近くの里山 ……ヤマラッキョウが咲き始めた……

11月2日(日) 今日は日曜日なので、 まだ天山や作礼山などでは登山者も多いと考え、 近くの里山を歩くことにした。 もう色づいている木もあった。 サルトリイバラの赤い実が秋を感じさせる。 アケビの実もあちこちで見かけた。 アキノキリンソウはまだまだ…

人生の一日(29) ……そうつぶやかないですむように……

以下に掲載するのは、 翻訳家・向井和美さんが所属する読書会の、 1987年から2022年にかけての課題本リストだ。 1987年 ロジェ・マルタン・デュ・ガール『チボー家の人々』1~3 1988年 ロジェ・マルタン・デュ・ガール『チボー家の人々』4~10 1989年 ロジェ…

村田あやこ『緑をみる人』 ……隙間植物愛好家……

図書館の新着図書コーナーで、タイトルに惹かれ、 村田あやこ著『緑をみる人』(雷鳥社、2025年10月6日刊)を手に取った。 【村田あやこ】 40代。 路上園芸鑑賞家/ライター。 街歩きをテーマにしたコラムやインタビュー記事などを執筆。 デザイナーの藤田泰…

人生の一日(28) ……女神の美しき横顔……

裏山の鬼ノ鼻山に登り、 “鬼の展望台”から見える八幡岳と女山(船山)を眺めるのが好きだ。 (向かって右が女山) 以前、 〈女山は、なぜ女山というのだろう……〉 と思って調べてみたことがある。 池高原を挟んで対峙する八幡岳が「男山」で、その前山なので…

近くの里山 ……白花のレイジンソウに魅せられて……

顕花植物の中で、本来は色のついた花を咲かせるはずの種で、 花弁において色素が形成されず、白い花を咲かせる個体のことを、 白花変種(はくかへんしゅ)という。 白花変種の花は少ないので、見つけるとなんだか得した気分になる。 この白花変種は、 カルコ…

「別冊太陽 小泉今日子」 ……生前葬のような気分で……

2年前の2023年11月に「別冊太陽 小泉今日子」が発売された時、 すぐに売り切れになり、話題になっていたことを憶えている。 【小泉今日子】(こいずみ・きょうこ) 1966年2月4日生まれ。俳優、歌手、執筆家。 株式会社明後日の代表取締役、プロデューサー。 …

天山 …稜線に咲くリンドウを見て『野菊の墓』を思う…

10月23日(木) 10月も下旬になり、秋も深まってきた。 天山の秋の花々も次第に少なくなってきた。 “最後の宴”を見届けようと、 今日も天山へ足を運んだのだった。 天川登山口より出発。 あめ山分岐を通過。 いつもの場所でパチリ。 もうすぐ山頂。 こうして…

一人読書会『アンナ・カレーニナ』(トルストイ)⑳ ……第8部、1章~19章……  ついに読了!

一人読書会『アンナ・カレーニナ』の20回目は、 第4巻の、 第8部の1章~19章を読んでみたいと思う。 1章 ほぼ2ヶ月がすぎた。すでに暑い夏も半ばになっていたが、コズヌィシェフはいま頃ようやくモスクワを出ようとしていた。この間コズヌィシェフの人生には…

Tianyao Lyu(リュー・ティエンヤオ)第4位の快挙!

「第19回ショパン国際ピアノ・コンクール」の最終結果が、 日本時間2025年10月21日早朝発表された。 第1位:エリック・ルー Eric Lu (アメリカ) 第2位:ケヴィン・チェン Kevin Chen (カナダ) 第3位:ワン・ズートン Zitong Wang (中国) 第4位:桑原志織 Shi…

人生の一日(27) ……山の頂上には何があるの?……

今年(2025年)の8月に刊行された、 『作家と山』(平凡社)という本を読んでいる。 『作家とおしゃれ』『作家と珈琲』『作家と酒』など、 「作家と〇〇」シリーズの1冊で、 『作家と山』には、 山好きであった昔の文豪から当代一のベストセラー作家まで、 …

八幡岳の秋 ……シロバナアキギリに逢いたくて……

10月17日(金) 久しぶり(とは言っても9月6日以来)の八幡岳。 オオキツネノカミソリが咲く夏以外は、 あまり登山者を見かけない静かな山。 今日は“私の山歩道”で、秋の花に逢えればと思う。 いつものように、 大平展望所で「蕨野の棚田」を眺め、 池越しに…

Tianyao Lyu(リュー・ティエンヤオ)ファイナル進出!

ワルシャワで開催中の第19回ショパン国際ピアノコンクールは、 3日間にわたる3次予選の審査が現地時間16日夜に終了し、 協議の結果、本選に進出する11名の名前が発表された。 ◎本選予選進出者(年齢は10月17日現在) Piotr Alexewicz ピオトル・アレクセヴィ…

一人読書会『アンナ・カレーニナ』(トルストイ)⑲ ……第7部、17章~31章……

一人読書会『アンナ・カレーニナ』の19回目は、 第4巻の、 第7部の17章~31章を読んでみたいと思う。 17章 オブロンスキーは窮地に立たされていた。森の3分の2の分の代金はすでに使い果たしてしまったし、残りの3分の1の分も、すでに1割引で例の商人からほと…

作礼山 ……キッコウハグマが咲き始めた……

10月14日(火) この時期、天山は平日でも登山者が多い。 天川登山口駐車場など、いつも満車だ。 駐まっている車のほとんどは、 福岡、久留米、長崎、佐世保、熊本など、県外ナンバーばかり。 短時間で登ることができて、 多くの花を見ることができて、 展望…

最近、驚いたこと(36) ……16歳の天才ピアニスト……

「第19回ショパン国際ピアノコンクール」は、 84名のピアニストが出場し、 (2025年)10月3日に第1次予選がスタートした。 5日間にわたる第1次審査が終わり、 現地時間の10月7日深夜に、第2次予選に進む40名が発表された。 ◎2次予選進出者 アルファベット順 …

人生の一日(26) ……おれはいまでも、お前のことを……

山に登る 旅よりある女に贈る 萩原朔太郎 山の山頂にきれいな草むらがある、 その上でわたしたちは寢ころんでゐた。 眼をあげてとほい麓の方を眺めると、 いちめんにひろびろとした海の景色のやうにおもはれた。 空には風がながれてゐる、 おれは小石をひろ…

朝駆け「天山」 ……御来光と、遠望(くじゅう連山・由布岳・英彦山)を楽しみ、ウメバチソウの三姉妹を愛でる……

10月10日(金) 今日の天気予報は、快晴。 美しい御来光が拝めると思い、朝駆けすることにした。 月齢18.3 輝面率(月の光っている部分の面積率)85%の月 天川登山口より出発。(フラッシュ撮影) もうすぐ山頂。 天山山頂に到着。 今日は遠望がきき、 くじ…

人生の一日(25) ……草に寝て……

2019年3月に、 『椅子さえあればどこでも酒場 チェアリング入門』 という本が出版され、 ちょっとしたチェアリングブームが起きたことがある。 折りたたみ椅子を持って出かけるだけで、 公園や河原、野山や海岸などお気に入りの場所が、 自分だけの酒場やリ…

「北の国から」再放送 ……竹下景子の美しさに驚く……

脚本家の倉本聰のサイト「倉本聰 界隈」で、9月22日に、 「『北の国から』を愛して下さる皆様へ、地上波再放送 全国展開進行中です」 とのタイトルで嬉しい情報が掲載された。 kuramotoso.jp 2025年8月11日にフジテレビ系列関東地区ローカルで、ドラマ「北の…

秋の花が咲き揃った天山 …ウメバチソウ、リンドウ開花…

10月6日(月) マツムシソウ、 キュウシュウコゴメグサ、 タンナトリカブト、 ホソバノヤマハハコ、 スズコウジュ、 アケボノソウ、 レイジンソウ、 キバナアキギリ、 ツクシミカエリソウ、 センブリ、 ムラサキセンブリなど、 天山の秋の花々が次々と開花し…

一人読書会『アンナ・カレーニナ』(トルストイ)⑱ ……第7部、1章~16章……

一人読書会『アンナ・カレーニナ』の18回目は、 第4巻の、 第7部の1章~16章を読んでみたいと思う。 1章 リョーヴィン夫妻がモスクワに移ってすでに3か月めになった。キティの出産予定日はとっくに過ぎていたのだが、周囲の人々は焦りと不安を覚えはじめてい…